矯正治療


●矯正治療はどうして必要?

●代表的な不正咬合

●いろいろな矯正装置

●矯正歯科診療における一般的なリスクおよび副作用について




 矯正治療はどうして必要?

歯並びや咬み合わせが悪いと、虫歯や歯周病になりやすかったり、食べ物をよく噛めず、
胃腸に負担をかけることになります。
また、人前で口を開けて笑えなかったりなど心の健康を害することもあります。
歯並びを治す矯正歯科治療は,病気を治すのと同様に歯の正常な咀嚼機能を取り戻し、
健康な体と心を作るための歯科治療です。

代表的な不正咬合として
@上顎前突A反対咬合B叢生(凸凹)C開咬(上下の歯がかみ合わない)などがあります。



 代表的な不正咬合

上顎前突 ・・・・・ 上の前歯や歯列全体が前に出ている状態をいいます。(下の歯が後退している場合もあります)

         



反対咬合 ・・・・・ 下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です





叢生 ・・・・・ 八重歯や凸凹のように歯の生える場所が足りない状態です





開咬・・・・・ 咬みあわせた時、上下の歯にすき間がある状態です。








 いろいろな矯正装置

矯正治療に使う装置にはいろいろなものがります。不正咬合の種類・歯の萌出状況・治療方針によって使用する装置が決まってきます。(下の写真はその一部です)



固定式の装置

                 
           マルチブラケット          マルチブラケット(クリアタイプ)       マルチブラケット(セクショナル)

                           
                リンガルアーチ                    クアドへリックス


取り外しのできる装置

                     
                 拡大床装置             歯列矯正用咬合誘導装置(MUH)


保定で使う装置

                     


その他

                 
                         歯列矯正用アンカースクリュー
                          (マルチブラケットの補助装置)


 矯正歯科治療における一般的なリスクおよび副作用

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
@ 矯正歯科装置装着後に違和感、不快感、痛みなどが生じることがあります。一般的には数日間 1、2週間で慣れてきます。
A 歯の動き方には個人差があります。そのため予想された治療期間が延長する可能性があります。
B 矯正歯科装置の使用状況 、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者 さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
C 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらにかかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
D 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
E ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
F ごくまれに 歯 を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
G 矯正歯科装置などにより金属 等のアレルギー症状が出ることがあります。
H 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの顎関節症状が生じることがあります。
I 治 療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
J 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
K 矯正 歯科装置を誤飲する可能性があります。
L 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
M 動的治療が終了し装置が外れた後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
N 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります 。
O あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
P 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
Q 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。